事例01 株式会社ハイテックシステムズ様
福祉用具トータル管理システム『ケアレンツ』
AccessアプリケーションをWebアプリケーション化
クラウドやタブレットにも対応
C/S版として15年に渡り利用している「福祉用具レンタル管理システム」が、システム老朽化とIT環境の変化に伴い、大規模なシステム再構築が必要な状態でした。そこで、再構築に「AZAREA_Gene」を採用することで、Web化、およびクラウドやタブレットにも対応しました。
導入の背景と課題
ハイテックシステムズ社の「福祉用具レンタル管理システム」は介護保険制度がスタートした翌年の2001年に販売を開始、その後15年の長きにわたって顧客のニーズに応え続けてきました。しかし、その15年のうちにIT環境は大きく変化、モバイルやクラウドといった最新の環境に対応できないままでは、トップであり続けることが困難なのは明らかでした。システムの老朽化もあり、今後のさらなるシェア拡大を目標に、大規模なシステム再構築を行うことになりました。
当初同社は既存システムの資産を最大限活用する形での再構築を考えていました。ところが、旧システムの基盤技術であるMicrosoft AccessのADP(Accessデータプロジェクト)機能が、Office 2013からは廃止されることが判明、それまで大規模なWebシステムの開発経験が無かった同社ですが、このことに後押しされる形でWebシステムとしての再構築を決断するに至りました。
解決策とCACからの提案
ゼロからWebアプリケーションを開発する場合、当初予算を大幅に超過した開発費用が必要となります。なにかコスト削減する方策はないかという検討を行うなかで、グループ会社のシーエーシーから紹介されたのが「AZAREA_Gene」でした。社内で検証した結果、シーエーシーのWeb開発のノウハウが惜しみなく詰め込まれた「AZAREA_Gene」は、Web開発経験の少ない同社にとって大きな助けになるとともに、ソースコードの自動生成機能により開発工数の削減も可能と判断、「AZAREA_Gene」を採用して再構築することとなりました。
その後、シーエーシーの技術支援を受けながら再構築は順調に進み、2016年1月に新たなバージョンとして福祉用具トータル管理システム「ケアレンツ(Carents)」がリリースされました。
「ケアレンツ」は福祉用具貸与サービスを行う事業者向けのシステムで、福祉用具の在庫や仕入の管理、福祉用具の貸与先となる顧客と契約の管理、貸与サービスの計画・実績の管理、実績に基づいた国保や利用者への請求処理等の機能を提供しています。
機能名 | 概要 |
---|---|
顧客管理 | 利用者の「基本情報」「保険」「助成」「居宅」「口座」「関係者」「請求」「営業履歴」などの情報を登録 |
マスタ管理 | 「事業所」「商品」「保険者」「居宅」「仕入先」「代理店」「倉庫」「担当者」などの情報を登録 |
契約管理 | 利用者の契約、解約の情報(デモ貸出含む)を登録 また、利用者向けの「契約書」「重要事項説明書」、ケアマネージャー向けの「ケアマネ報告書」仕入先向けの「発注書」、倉庫向けの「出荷指図書」「納品受領書」などの帳票を作成 |
サービス計画 | 「福祉用具サービス計画」の登録および「福祉用具サービス計画書」の作成 |
モニタリング | 「モニタリング情報」の登録および「モニタリングシート」の作成、会議検収記録の登録 |
売上仕入実績 | 月初から月末までの貸与実績を元に利用者ごとに売上金額を算出し、売上伝票を作成 また、併せて卸在庫からの貸出分について仕入先ごとに仕入金額を算出し、仕入伝票を作成 |
例外処理 | 入院などによる「休止」「請求保留」「再請求」などの情報を管理 |
実績管理 | 「売上高」「仕入高」「売掛金」「月別推移」「貸与実績」などの検索および帳票作成 |
在庫管理 | 自社在庫または、預かり在庫の「在庫登録」「在庫引当」「回収」「交換」「メンテナンス」「個体履歴」などの情報を管理 |
国保請求 | 保険者の請求情報や入金情報を管理する。「介護給付費請求書・明細書」などの帳票作成や、国保連合会向けの「請求データ」の作成や、国保連合会からの「審査結果データ」を取込むことで入金自動消込を行う |
利用者請求 | 利用者の請求情報や入金情報を管理する。請求方法ごとの「請求書」作成や、金融期間ごとの「口座引落データ」や「振込用紙」の作成を行う。また、金融機関からの「口座引落結果データ」の取込を行い、入金自動消込が行える |
代理店請求 | 代理店経由での取引となる場合に代理店に対する請求情報や入金情報を管理 その他「請求書」などの帳票を作成 |
締め処理 | 月次締め処理 |
権限管理 | 「ライセンス」や「ユーザー権限」「グループ権限」などの登録 |
「ケアレンツ」はWebアプリケーションでありながら、C/Sとほとんど変わらない抜群の操作性を実現しています。一度に開いたたくさんの画面をタブでシームレスに切り替えできるなど、業務のスムーズな遂行を支援するための様々な工夫がこらされ、事務負担の軽減につなげています。
「ケアレンツ」のすべての機能はiPad等のタブレットからも利用可能です。さらに、タブレットでの操作性を高めるための「メガメニュー」も搭載しています。
「ケアレンツ」は自社サーバーだけではなく、クラウドサービスとしての利用も可能です。インターネット上のシステムを外出先から利用することができるようになることから、「営業時間の効率化を図ることでさらなる売上向上に貢献できる」と高く評価されています。
「ケアレンツ」の抜群の操作性やタブレット対応を支えているのが、シーエーシーのWebアプリケーション開発基盤「AZAREA_Gene」です。カスタマイズを前提としたソースコードの自動生成機能を活用することにより、高い生産性と操作性の両立が可能です。
「当初から「AZAREA」シリーズはWebアプリケーションで高い操作性を実現するために開発されました。
その一環として、HTML5に対応。HTML5は標準的なWeb技術のため、開発したアプリケーションをそのままタブレット端末から利用することもできるようになりました。同時に追加されたソースコード生成機能は、生産性の向上に寄与しています。」
導入の効果とお客様の声
システム導入の結果、お客様より、以下の声をいただいております。
「AZAREA_Geneの導入で単純な登録画面は軽微なカスタマイズで開発することができ、複雑な画面についても自動生成機能を効果的に取り入れることで、ゼロからの開発と比較するとカスタマイズ部分に注力すれば良く生産性の向上が図れた。更に自動生成されたものは品質的にも担保され、テスト工数も削減できたことにより、期待通りの生産性と品質の向上が図れた。」 「開発当初はWebシステム開発に精通する人材が不足しており不安を抱いてプロジェクトをスタートさせたが、株式会社シーエーシー様の技術支援を受け無事に製品リリースすることができた。また、メンテナンス業務においても継続的な作業支援を受けることが可能な為、今後も安心してAZAREA_Geneを利用する事ができる。」 「製品リリース後は、お客様から機能性及び操作性ともにご満足頂いており今後の導入も加速していくことが予想される。お客様の発展につながるシステムを提供することが当社の使命でもあり、AZAREA_Geneはこれに貢献するツールだと確信しており、更なる進化を続けていくことを期待したい。」
左:開発部 課長 岩崎 英樹 氏
右:開発部 課長代理 中西 孝幸 氏
株式会社ハイテックシステムズは山口県下関市に本社を置き、ニアショア開発を中心にシステム開発の受託及び請負業務を行うとともに、早くから介護福祉事業の支援に取り組んでいます。自社で開発した「福祉用具レンタル管理システム」は、累計で1,300を越える事業者に導入され、トップシェアを獲得しています。